Codex構造と歴史

コードの断片を生成するモデルから、タスク全体を実行する仕組みへ。
モデル、ツール、コンテキスト、サンドボックスの連携を見てみましょう。

更新日 ・公式資料とソースコード付き

モデルは交換可能。ハーネスがタスクを動かし続けます。

利用画面とモデルを選び、どの層が変わるか確認できます。

App Server双方向 JSON-RPC・標準は JSONL / stdio
デスクトップクライアント → App Server → 複数スレッド

プロジェクト別のスレッド管理、編集レビュー、並列作業を提供。実行には同じハーネスを使います。

モデル

Responses API・推論とツール要求

実行環境

認可された範囲でのみ動作

  • Shellコマンドとテスト
  • Git / Filesystemコード、ファイル、差分
  • Browserページとアプリ操作
  • MCP外部ツールとデータ
ローカルワークスペースリモート Devboxクラウドコンテナー
現在の図: GPT-6 Astra

2026年9月10日時点で対象の Codex アカウントに提供。CLI は0.153.0以降が必要。 モデルを変えると推論の品質と速度が変わります。ツールと権限は引き続き実行環境が管理します。

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Codex はエージェント製品であり、実行システムです。モデルが推論し、ハーネスがコンテキストを整理してツールを実行し、結果を処理します。UI は作業の開始、追跡、レビューを支えます。

エージェントループ:実行し、結果を見て、再び判断

ビルド失敗は終わりではありません。ツールのエラーがモデルの次の入力になります。

動作例Astro プロジェクトを Cloudflare Workers に移行

  1. タスクと入力目標、制約、これまでの記録
  2. コンテキストを構築指示、関連ファイル、ツールの定義
  3. モデルの判断ユーザーに回答するか、ツール呼び出しを提案
  4. 権限の確認承認ポリシーとアクセス可能な範囲
  5. ツールを実行コマンド、ファイル、ブラウザー、MCP
  6. 結果とフィードバック出力をモデルに戻し、次の処理へ
  7. 結果を報告変更と検証を説明
ツール結果 → モデルへ戻る
タスクログの例実際のコマンドは実行しません
1 / 9

目標を記録:移行を完了し、ビルドを検証する。

コンテキストは作業メモリ。スレッドはタスクの記録。

モデルは毎回利用可能なコンテキストを受け取り、クライアントはスレッドとイベントで継続中の作業を表示します。

コンテキスト圧縮

容量の概念図

ファイルの読込、差分確認、テスト実行で、モデルが処理すべき内容が増えます。

88%コンテキスト使用量の例
指示 8%タスク 12%ファイル 24%ツール出力 32%セッションの状態 12%

割合は仕組みの説明用で、実際のトークン上限や圧縮率ではありません。

圧縮後にタスクをどう続ける?

  • タスクの方向を保持現在の目標、重要な判断、未解決の問題を次の作業に引き継ぎます。
  • 履歴の負荷を減らす長いログや中間手順を毎回そのまま送る必要はありません。
  • 精度が必要なら再読込圧縮は完全なアーカイブではありません。正確なコードや最新状態は、ファイルやツールで確認します。

Responses API は、少ないトークンで前の状態を引き継ぐ不透明な圧縮項目を返せます。ここに示した可読な要約とは異なります。

Thread → Turn → Item

Thread継続できるセッション
Turn 1 プロジェクトを移行
  • ユーザーのメッセージ
  • ツールの実行と出力
  • コードの差分
  • エージェントのメッセージ
Turn 2 テストを追加
  • 新しいユーザーメッセージ
  • ツールの実行と検証
  • エージェントのメッセージ

Thread は複数の Turn を持ち、各 Turn は一連の Item を持ちます。保存された履歴により、再接続、継続、セッションの分岐が可能になります。

モデルは実際に何を受け取る?

instructionsシステム・開発者の指示とタスクの制約
tools利用可能なツールの定義と引数
inputユーザーのメッセージ、プロジェクトの情報、ツール呼び出しと出力

AGENTS.md は、テストコマンド、コード規約、ディレクトリの説明など、プロジェクトのルールを提供し、タスクのコンテキストに影響します。

API キーモードは Responses API 経由でモデルを呼び出し、ChatGPT ログインは対応する Codex バックエンドを使います。実際のリクエストはプロバイダーとクライアント設定に依存します。

承認は確認の要否を決め、サンドボックスは実行範囲を制限

モデルがツール呼び出しを提案しても、実行ポリシーと環境の制約が適用されます。

権限の比較

簡略図
プロジェクトのファイルを読むsrc/app.ts許可
ワークスペースのソースを編集src/app.ts許可
ワークスペース外の通常ファイルに書き込む../notes.txt承認が必要
コマンドからネットワークを利用依存関係をダウンロード承認が必要

ファイルに到達可能で、追加の管理ポリシーがなく、制限モードでコマンドのネットワーク利用が無効という前提です。「承認が必要」は承認済みを意味しません。実際の権限はパス、環境、ポリシーにも依存します。

制限は実行環境で強制される

ツール要求承認ポリシーシステム分離
macOS
Apple Seatbelt / sandbox-exec でファイルとネットワークのアクセスを制限。
Linux
bubblewrap などで分離を実施。互換性のための旧ポリシーでは Landlock を使う場合もあります。
Cloud
隔離されたクラウドコンテナーでリポジトリを準備し、タスクを実行して状態を保存。

--yolo は承認とサンドボックスの制限を回避します。変わるのは実行範囲で、モデルの推論能力ではありません。外部ツールとブラウザーには独自の権限制御があります。

拡張:ツールをつなぎ、作業方法を共有

MCP

標準プロトコルでコードホスティング、データベース、業務システムなどの外部ツールとデータを接続。

Skills

指示、資料、スクリプトを再利用できる作業方法としてまとめ、タスクに応じて読み込みます。

Plugins

関連アプリ、Skills、ツール統合を組み合わせ、職種や作業手順に合った構成を提供。

TypeScript の試作から Rust の実行環境へ

ネイティブ実行、ターミナル操作、状態管理、システム分離が CLI の基盤を構成します。

2025年4月

TypeScript + Ink

React Ink でターミナル UI を素早く開発・改善できました。当時は Node.js 22以降が必要でした。

2025年5月以降

Rust + Ratatui

単体バイナリ、ネイティブなセキュリティ連携、メモリ削減、拡張可能なプロトコルを目指しました。

実行コア

Rust · Tokio

エージェントの状態、非同期作業、プロセスの調整。

core / exec

ターミナル UI

Ratatui · Crossterm · Clap

ターミナル画面を描画し、キー入力と CLI オプションを処理。

tui / cli

モデルとの通信

Reqwest · Rustls · WebSocket

リクエスト送信、安全な接続、ストリーミング応答の受信。

http-client / backend-client

クライアントプロトコル

Serde · JSON-RPC · JSONL

クライアントの要求と実行イベントを構造化メッセージに変換。

app-server / app-server-protocol

設定と状態

TOML · SQLite · SQLx

設定を読み、一部のローカル状態を保存。スレッド履歴は別のストアを使用。

config / history / rollout

ツールとターミナル

rmcp · portable-pty · Tree-sitter

外部ツールの接続、子プロセスの制御、コマンド構造の解析。

rmcp-client / utils/pty

可観測性

tracing · OpenTelemetry

実行イベントを記録し、呼び出しと処理を診断。

otel

システム分離

Seatbelt · bubblewrap · seccomp

プラットフォームとポリシーに応じてツール実行を制限。Linux には互換性のための Landlock 経路もあります。

core / linux-sandbox

項目は Rust ワークスペースと Core 文書に基づきます。上の移行目標は当時の開発方針で、性能ベンチマークではありません。依存関係とモジュール構成はバージョンで変わります。

Codex の年表

Copilot を支えたコードモデルから、ツールを呼び出してタスクを完了するエージェントシステムへ。

19 milestones

  1. モデル

    GPT-6 Astra が Codex に登場

    9月10日時点の公式ヘルプは、対象アカウントでの Astra 利用を確認しています。CLI は0.153.0以降が必要です。利用可否はプランとワークスペースの権限によります。

    モデルは進化しても、ツールとタスク実行環境は Codex が提供します。

    OpenAI Help Center · 元の資料
  2. モデル

    GPT-5.6:Sol、Terra、Luna

    Sol は複雑な作業、Terra は能力・速度・費用のバランス、Luna は高速で低費用のタスク向けです。コーディング、調査、コンピューター操作を同じモデル系列が担います。

    「通常の GPT」とコードモデルを分けるより、タスクに合わせて選びます。

    OpenAI · 元の資料
  3. 製品

    プラグイン、Sites、知識業務

    職種別プラグイン、共有可能な Sites プレビュー、結果への注釈が追加され、分析、デザイン、調査が明確な用途になりました。

    成果物はコードからレポート、グラフ、対話型ページへ拡大しました。

    OpenAI · 元の資料
  4. 製品

    Codex がコンピューターとアプリを操作

    デスクトップアプリにバックグラウンドのコンピューター操作、内蔵ブラウザー、画像生成、メモリのプレビュー、プラグインが追加され、自動化と SSH 開発環境の対応も拡大しました。

    タスクがリポジトリ、ブラウザー、デスクトップアプリを横断します。

    OpenAI · 元の資料
  5. モデル

    GPT-5.4:コーディングと汎用能力の統合

    主力 GPT モデルが GPT-5.3-Codex のコーディング能力を取り込み、コンピューター操作と知識業務を強化しました。

    エージェント製品としての Codex と特定のモデル名の違いが明確になりました。

    OpenAI · 元の資料
  6. モデル

    Codex-Spark:リアルタイムコーディング

    Cerebras ハードウェアを使う研究プレビュー。公開時はテキスト専用、128K コンテキストで、公式には毎秒1,000トークン超と報告されました。

    長時間タスクに加え、低遅延で素早く編集を繰り返す作業方法が加わりました。

    OpenAI · 元の資料
  7. モデル

    GPT-5.3-Codex:コーディングと推論の融合

    GPT-5.2-Codex のコーディングと GPT-5.2 の推論・専門知識を組み合わせ、調査、ツール利用、複雑な実行を含む長時間タスクを支援します。

    同じモデルで、タスクの分析から実装まで進められます。

    OpenAI · 元の資料
  8. エンジニアリング

    OpenAI が App Server の構造を公開

    共有ハーネス、双方向 JSON-RPC、Thread / Turn / Item データモデルを解説し、ローカルクライアントとクラウドが同じコアに接続する仕組みを示しました。

    異なる UI が同じ実行ロジックとタスクイベントを再利用できます。

    OpenAI · 元の資料
  9. 製品

    Codex App:並列タスクの管理

    最初に macOS アプリが登場し、プロジェクトと独立スレッドで複数エージェントを整理。worktree、変更レビュー、Skills、自動化の入口を提供しました。

    ターミナルでの単一の共同作業から、複数タスクの管理へ広がりました。

    OpenAI · 元の資料
  10. モデル

    GPT-5.2-Codex:長時間タスクとコンテキスト圧縮

    コンテキスト圧縮、信頼性の高いツール呼び出し、大規模なリファクタリングと移行を強化し、Windows の性能を改善しました。

    関数の生成から、実際のリポジトリで複雑な作業を完了することへ重点が移りました。

    OpenAI · 元の資料
  11. 製品

    Codex が正式提供に

    SDK、Slack 統合、管理機能とともに正式提供を開始し、ターミナル、エディター、クラウドの作業を接続しました。

    チームの作業手順や他のソフトウェアにエージェントを組み込めます。

    OpenAI · 元の資料
  12. モデル

    GPT-5-Codex:エージェント向けのコーディングモデル

    対話的な編集、自律的な長時間タスク、コードレビューなど実際の開発作業に最適化され、CLI、IDE、クラウドで利用されました。

    実際のプロジェクトを読み、変更し、テストする過程に学習目標が近づきました。

    OpenAI · 元の資料
  13. エンジニアリング

    Codex CLI が Rust への移行を発表

    初期の TypeScript / React Ink 実装から Rust への移行が始まり、単体インストール、ネイティブなセキュリティ連携、メモリ削減、拡張可能なプロトコルを目指しました。

    CLI の開発はネイティブなエージェント実行環境へ向かいました。

    OpenAI · GitHub · 元の資料
  14. 製品

    クラウド Codex と codex-1

    リポジトリを用意した隔離クラウド環境で、ファイルの読み書き、テスト、PR 作成を行います。codex-1 はソフトウェア開発向けに最適化した o3 の派生モデルでした。

    開発作業全体を非同期に委任できるようになりました。

    OpenAI · 元の資料
  15. 製品

    Codex CLI:エージェントとして復活

    o3 と o4-mini とともにオープンソースのターミナルエージェントが公開され、モデルの推論とローカルのコード・コマンド実行を接続しました。

    目標を渡すと、プロジェクトの調査、コード変更、結果の検証を行えます。

    OpenAI · 元の資料
  16. モデル

    初代 Codex API モデルを廃止

    code-davinci-001/002 と code-cushman-001/002 が API から廃止されました。旧コードモデルのことで、2025年以降の Codex エージェント製品とは別です。

    初代のコード補完 API が終了し、後の Codex が名称を再利用しました。

    OpenAI Docs · 元の資料
  17. 製品

    Codex API の非公開ベータ開始

    自然言語からコードを生成する機能が、API の非公開ベータで開発者に提供されました。

    コード生成モデルが外部アプリから呼び出せるサービスになりました。

    OpenAI · 元の資料
  18. モデル

    Codex 論文と HumanEval

    公開 GitHub コードで微調整した GPT モデルを研究し、HumanEval を公開。論文の Codex は28.8%の pass@1 を記録しました。

    生成したプログラムを実行可能なテストで評価しました。

    OpenAI · arXiv · 元の資料
  19. 製品

    GitHub Copilot 技術プレビュー

    OpenAI Codex を搭載した GitHub Copilot の技術プレビューが公開され、エディター内でコードを提案しました。

    多くの開発者が IDE 内で初めて Codex を使いました。

    GitHub · 元の資料

2021年の作業単位コードの断片

現在の Codex の作業単位1つのタスク

出典

年表は発表当時の資料を引用しています。構造とモデルの利用状況は2026年9月10日まで確認しています。